不動産エージェントのための外国人顧客対応術

日本に初めて住む外国人の質問に対する解決策トップ 5

外国の顧客との取引は、時には困難なことも存在しますが、常にやりがいがあります。不動産会社で働いていた時、会社の目標を達成する為に毎日解決しなければならなかった問題の数は数え切れませんでした。

この記事では、賃貸仲介業務において、潜在的な問題が発生する前に外国人顧客が問題を解決できる様に支援する事で、不動産エージェントの皆様のストレスを軽減できるよう、私の経験を共有したいと思います。

日本で初めてお部屋探しをする、外国人顧客を迎える優位性

海外から来た外国人は、あなたがしなければならない時間と手間が掛かるという点で、対応するのが最も難しい市場セグメントかもしれません。一方で、外国人のお客様は不動産会社にとって良いビジネスチャンスにもなり得ます。なぜでしょうか?彼らは早急かつ確実に滞在先を必要とする為、成約率が最も高い顧客セグメントでもあるのです。

以下では、日本に来たばかりの外国人特有の問題と、スムーズに契約を結ぶためのヒントについて説明します。

ケース1: 「今から3か月後に来日予定です。今からお部屋をおさえることはできますか?」

一部の国では、現在のアパートを退去するには3か月以上前に通知する必要があります。そのため、多くの外国人にとって日本に引っ越す数か月前、または居住ビザを取得する前にアパート探しを開始する人も多いのが現状です。

この状況をどのように解決したら良いのでしょうか?

まず、日本と海外の不動産市場の違いについて説明してください。特に気を付けたいポイントは次の通りです。

  • 一般的に日本では、多くの方が引っ越しの約1か月前からお部屋探しを始めます。
  • お部屋の空室情報は数か月前だと、まだ早すぎて不動産会社が案内できない場合があります。
  • 海外からの申請は、不動産会社が処理して確認するのが非常に困難です。

次に、幾つかの選択肢を提案します。運が良ければ、それらに適した物件を案内する事が出来ます。

外国人顧客にホテルやマンスリーマンションを案内し、日本での短期宿泊施設を予約するようアドバイスできます。このようにすれば、日本に到着したらすぐにサポートを開始できます。また、外国人顧客が先のことを考えられるように、初期費用がどれだけくらいになるかを想定し教えてあげる事は、優れた顧客サービスに繋がります。これにより、不安をなるべく減らし、安心感をもって賃貸契約まで進める事ができます。

ケース2: 「日本での住所、電話番号、銀行口座がなくて賃貸契約はできますか?」

これは、日本に初めて来る外国人が直面する最も一般的な問題です。また、多くの外国人の混乱を招く可能性がある問題です。日本に来たばかりの外国人に、短期宿泊の予約と賃貸契約の両方を完了するには、ほとんどの場合、現地の電話番号と日本の銀行口座の2つが必要である事を説明しましょう。ただし、現地の電話番号を取得して銀行口座を開設するには、日本に住んでいる住所を提供する必要があります。もちろん、この場合の最大の問題点は、日本での電話番号と銀行口座がなければ申し込む事ができない事です。

しかしながら、この問題は幾つかの方法で解決できます。こちらの記事を参照ください。この問題について詳しく説明しています。

ケース3:「印鑑を持っていません!」

印鑑は、日本で不動産を購入する際に不可欠であり、物件を借りる際に必須となる場合もあります。

外国人は、この日本の風習を知らない可能性があり、殆どの外国人が1人で印鑑を購入するのに必要な語学力を持っていません。不動産会社で働いていた頃は、申請の最初に印鑑が必須かどうか必ず物件の不動産管理会社に確認していました。印鑑が不要な場合は、手書きで署名するだけで済みます。

印鑑が必要な場合は、まずお客様が印鑑を持っているかどうかを確認します。他のアジア諸国でも印鑑は一般的に使用されている国もありますし、私の携わった外国人顧客の中には、日本に到着したときに会社や学校から印鑑を受け取っている人もいました。

印鑑をお持ちでないお客様には、こちらが印鑑屋さんで1,000円以内で注文し、ケースも購入してご成約日にプレゼントするというサービスを行いました。

これは時間やお金の無駄だと思うかもしれませんが、2つのメリットがあります。一つは、外国人顧客が契約までに印鑑を確実に持てる保証がつく事、そしてもう一つ目は、顧客ロイヤルティを構築出来る事です。

また、お客様の日本滞在中のお供としても意味のある贈り物です。ご存知のように、外国人コミュニティに関しては口コミが重要であり、顧客との良好な関係を構築する事は、友人や同僚に紹介してもらう為の最良の方法だからです。

ケース4: 「長期の賃貸契約ではなく、短期滞在用のお部屋を探している場合」

不動産会社で働いていた時に、私が常に苦労していたことの1つは、短期宿泊施設を探す為に私たちの不動産会社に連絡してきた外国人でした。当時、私の勤めていた不動産会社は通常の賃貸契約のみを取り扱っていたので、多忙な業務の中、最初はどうしたらいいのか分かりませんでした。

もし、あなたの会社がこれまで短期滞在むけ物件のご案内をしていない場合は、短期滞在のご案内が発生する前に、事前に対応が可能な物件・管理会社を見つけ、その企業と関係を築いておくのがいいかもしれません。リサーチには時間もかかり、該当する物件・会社がないかもしれませんが、うまくいけば外国人の顧客をきっかけに良いパートナー企業を見つけ、更には仲介手数料を受け取れるかもしれません。

ケース5:「日本での緊急連絡先がありません」

日本に来たばかりの外国人は、日本に一人も知り合いが居ない事がよくあります。日本に知人がいる人でも、事前に友人や知人に緊急連絡先としての登録を頼んでおくことをしていない人もいます。

意外なことに、学校側が緊急連絡先としての登録を拒否したり、管理会社が申請者の学校や職場の関係者に加えて、日本での友人や知人を必要とするケースも数多く見てきました。

あなたができることの1つは、物件のお申し込み前に、外国人のお客様に対して、緊急連絡先が必要であることを知らせ、日本にいる知人や知り合いに確認する時間を与えてあげましょう。

結論

初めて外国人のお客様の対応を行う際、日本のお客様の対応よりも少し複雑になり大変と思うかもしれません。しかし、そのプロセスに慣れて行き、準備が整っていれば、スムーズに対応出来るようになります。これらのヒントがサービスを改善し、より高い成約率と売上に繋がる事を願っています!

筆者: Johanna (ジョアンナ)

フランス出身、日本在住4年目。以前は都内の不動産会社で勤務、 仲介の経験を活かし外国人市場への集客と営業は得意分野です。不動産分野においても外国人だからと断られることのない、多様性を受け入れる日本の社会と発展を願っています。休日には、旅行やパティシエのカフェ巡りが好きです。

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