日本で家を買う

外国人が日本で住宅ローンを借りる際に押さえたいポイント

今回、弊社が外国人ユーザーの方からご質問いただいた不動産購入する際のいくつかの疑問点を、株式会社LINCの川村さんにご協力いただき、回答していただきました。

”一番低い金利で家を買いたいのですが、どうすればいいでしょうか?”

大阪在住の台湾人女性の王さん(就労ビザ)は、現在大阪で住宅を購入しようと考えています。最初は住宅としてしばらく住もうと考えているが、結婚したら中国籍の旦那(同じく就労ビザ)の家に引っ越し、自分が購入した住宅は賃貸に出そうかと考えています。

現在、日本の住宅ローンの低金利から、住宅購入について多くの外国人の方にご相談をいただきます。住宅・不動産について、外国人の方に向けてたくさんのセミナーを開催させていただいておりますが、日本の不動産についてご説明すると、借地権ではなく所有権であることや(借地権もございますが)、1%を切る低金利、そして、住宅ローン控除等の優遇税制について驚かれる方も多くいらっしゃいます。今回は、そのセミナーや個別のご相談の内容も踏まえながらご質問にお答えしたいと思います。

 

1) 結婚前に買う場合:結婚前に就労ビザで住宅ローンを組み、返済中に賃貸に出すことは可能でしょうか?また、結婚によって住宅ローンに影響があるのでしょうか?

まず、賃貸目的の住宅ローン利用は”不可”となります。しかしながら、後に偶発的に生じた理由で、例えば転勤などによる転居等が発生すれば、住宅ローンを継続したまま賃貸に出すことも場合によっては可能なケースもございます。特に最近のニュースにてARUHIが賃貸目的の住宅ローン利用者有無を調査した経緯もあり、作為的に住宅ローンで住宅を購入し賃貸に移行することは不可能になっております。したがって、一般的には現在購入したとしても、結婚後売却することが一般的です。

また、現在、度重なる銀行や不動産会社のスキャンダルから、日本人ですら一般的な住宅ローンを組むうえでの審査が厳しくなっていることも事実です。

(参考資料)

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO44781180U9A510C1EE9000?s=1

https://ssl4.eir-parts.net/doc/7198/ir_material_for_fiscal_ym/64475/00.pdf

特に外国人の方の場合は、実際のローン審査時に「明確な居住目的や動機、購入物件との一貫性」について念入りに質問を受けるケースが増えています。

ご自身が一般的な自己利用のために住宅を購入する上でも、動機・一貫性のエビデンスについてはかなり慎重に銀行に伝える必要がございます。場合によっては、本当に自己利用なのに、否認されることもございます。例えば弊社では必ず、下記のフレームワーク(5W1H1G)を効果的に活用し、7個あるポイントをできる限り引き出し、整理し、銀行に端的に効果的に伝えることで、多くの外国人の方のローンを通してきておりますのでご参考にしていただければと思います。

①Why・・・なぜ、住宅を購入する必要があるのか?なぜ、日本に住みたいか?

②Goal・・・どのような生活を実現したいか?

③When・・・いつ、理想が達成されるか?

④Where・・・この場所でなくてはいけない理由は何か?会社からの距離は?

⑤Who・・・誰が理想を実現したいか?

⑥What・・・何を実現したいか?この住宅で(例えば広さ)で実現できるか?

⑦How・・・どのように理想の住まいを実現するか?

 

2)結婚後に買う場合:実際に住んでいないので、住宅ローンは申し込めるのでしょうか?就労ビザで申請する方がいいのか?或いは配偶者ビザで申請する方がいいのでしょうか?

購入した住宅に住まない場合、住宅ローンの申し込みは不可能です。

また、ビザの種別としましては、今回のケースは、結婚される相手の方も、就労ビザである外国籍(日本人、永住権者以外)となるため、就労ビザでも配偶者ビザでも、審査はあまり変わりません。しかし、結婚後は、王さん(奥様予定)一人で、ローン承認を得られる可能性は低くなります。

日本の銀行審査において、婚姻をしている場合、(慣習として)ご主人(予定)の借入が困難である明確な理由が無い場合を除き、ご主人(予定)を”主たる債務者”としたローン審査を勧められます。

また、今回のご質問のケースと同様によく永住権と就労ビザの違いについてご質問をいただきます。ご自身の持つビザが永住権の場合と就労ビザの場合で、住宅ローンにおいては自己資金による負担割合が変わります。一般的に就労ビザの場合、2割以上の頭金が自己資金として必要になります。永住権の場合、100%近い融資を受けることが可能になることもございますが、取得から2年程経っている場合等、現在この条件も場合によって徐々に厳しくなっています。

弊社ではビザの更新や、永住権の取得のサポートも行っておりますが、銀行に確認すると、現在では永住権だからといって、すぐに100%の融資を得ることは難しいのが現状です。結局、現在の低金利を受けるため、就労ビザの段階で住宅ローンを組まれる方が比較的多いです。

しかしながら、例えば就労ビザの外国人の方と日本人の奥様のご夫婦の場合で、条件により100%の融資を獲得したこともございますので、是非、一度ご相談いただければ幸いです。

 

3)私の状況で、おすすめの銀行はありますか?

一例として、就労ビザの方への融資として条件が良い金融機関は、三菱UFJ銀行となります。(現段階の情報ですのでご注意ください)

外国人向けに融資を実際にしており、一定の条件を満たすことで、日本人と同じ優遇金利にて、借入をすることが可能です。

その他、SMBC信託銀行(PRESTIA)においても、外国人向けサービスとして、英語対応の住宅ローン斡旋もしており、三菱UFJ銀行と同等の金利にて借入することも可能です。

金融機関により、在日期間や物件評価など、融資条件は異なりますので、個別でご確認ください。

銀行選びが最も重要ですが、それに併せて、実際に銀行に相談される場合は、銀行と提携しているエージェントを選ぶこともおすすめいたします。エージェントが銀行と提携している場合、日本語で書かなくてはいけない書類の作成サポートや、審査において重要である「明確な居住目的や動機、購入物件との一貫性」、つまり、エビデンスの作成のサポートがスムーズに行われます。

また、外国人の方の場合、外国人の方のエビデンス作成に強いエージェントや、外国人へのサービスを専門にしているエージェントを選ぶことも重要です。提携銀行も、今までそのエージェントと審査をしてきたことへの信用により、そのエージェントが紹介する外国人の方へのエビデンスの信用度も変わる可能性もあるため、専門性の高いエージェントを選ぶことをおすすめします。

 

4)私の状況で、どのような物件が相応しいでしょうか?

まずは、住宅を考えた場合、「自身の生活」を第一に考えるべきです。自身の理想が叶えられない家を買って住むことはあまりおすすめしません。将来の目的が何であるとはいえ、「住む」ことが目的である以上、それをしっかりと加味して物件選定してくれるエージェントと共に物件を探すことをおすすめします。

また、外国人の方の担当をしていると、日本人がすでに知っている、どのエリアの価格が高いかや、今後起こる開発計画等の内容がわからず物件を探してしまっている方をよくお見掛けします。大きな買い物ですので、市場価格や市場の情報を客観的に教えてくれるエージェントと物件選びをすることをおすすめします。

例えば、弊社でもセミナーにて、日本人であれば多くの方が知っている開発計画を図示したプレゼンをさせていただいたことがございますが、外国人の方からはそれについて知らなかったという声を多くいただくこともございます。こういった市場のデータについてしっかりと把握し物件を探すことをおすすめします。

また、今回のご相談のように、将来的に個人としての流動性が高い(ご結婚後に売却する可能性が高い)場合は、売却を想定した物件を選定することをお勧め致します。

例えば、エリアによっては、売却をしなければいけなくなった場合に対応しやすく、流動性が高いと言われる、「マンション」の方が良い可能性があります。

また、マンションの場合は、下記三点を重要視することお勧めします。

1) 駅からの利便性が高い物件 :マンションを求める人の多くが、利便性を重視しており、需要が見込めます

2) 管理状態が良好の物件 :マンション全体の修繕が適切なタイミングでされることで、将来的に価値が下がりにくくなります。(総戸数と修繕積立金により判断)

3) 築年数が20年前後以降の物件 :ある程度築年数が経過していることで、資産価値(賃料含む)の下落幅が少なくなります

しかし、質問(1)で記載をしたとおり、「明確な居住目的や動機、購入物件との一貫性」が無い物件の場合、条件を満たしていたとしても融資不承認となる可能性はありますので、今の勤め先からの通勤経路(Where)、日本に居住したい理由(Why)、居住として見なされる物件(What)(就労ビザの場合:最低面積40㎡以上、ワンルームタイプで無いこと等)を加味しながら物件選定をし、質問(1)のフレームワークを使って効果的に銀行にエビデンスを伝えることをおすすめします。

 

※上記内容は、2019年7月24日現在での内容となりますので、常に変化する可能性があります。ご了承ください。

 

株式会社LINC CEO 川村真一

累計建築戸数世界一のハウスメーカーにてマネージャーに従事後、アメリカ、イギリス、中国で職務経験を積みながらMBAを取得。その後、コンサルティング会社に入社し、事業部のマネージャーに就任。住宅・不動産業界にて、様々なコンサルティングを行う。2017年に創業50年の建設会社にて代表取締役、設備工事会社にて取締役就任中に様々なプロフェッショナル人材との集合体組織であるLINCを創業。