1. まずは「事故物件の見抜き方」を教えてください。
①家賃が相場より安くなっていたら注意すること。
②マンションの場合、ひとつの部屋だけリフォームされているというケース。あるいは、一部分、例えばお風呂だけがリフォームされている場合は気を付ける。
③マンションなどで建物の名前や、外壁などの色を変えた場合。
- これは殺人事件などで報道されて有名になってしまったことが理由の場合があります。
④「定期借家契約」の契約形態の場合はその理由を調べてみる。
- これは事件や事故の後に入居する1人目の入居者にだけは正直に言うけれど、2人目以降には言わないという不動産関係者間の慣行を利用するケースです。この慣行を逆手に取って、強制的に2人目以降の入居を早めるケースがあります。
⑤自室の隣や上がずっと空室の場合には注意が必要。
- 心理的瑕疵を告知する必要があるのは、あくまでその部屋に限定されているので、入居者とのトラブルを避けるために、「じゃあ貸さなきゃいいじゃないか」と考える大家さんも結構います。
こちらの記事にも、事故物件の見抜き方を挙げておりますので、ご参考ください。(参考記事)事故物件の見抜き方
2. 心理的瑕疵物件の告知は「一人目の入居者に告知したら、二人目以降はしなくなる」と言うのは、本当ですか?
以前に比べると、業界内での告知義務などへの意識の変化もあり、1人目はきちんと告知しているように思います。2人目以降は言わなくていいという話ではないので、不審に思ったらきちんと不動産業者に確認してみてください。
こちらの記事にも、回答を載せておりますので、ご参考ください。(参考記事)心理的瑕疵物件の告知
💡編集部備考:
明確な規定はありませんが、基本的には数年後や入居者数人を入れ替わった後に告知する義務がなくなるという規定はありません。たとえば、数年前に自殺や殺人が発生し、入居者も数回入れ替わったが、事故や事件の内容によって新しい入居者に通知する義務があるかもしれません。
ご参考までに、日本賃貸住宅管理協会『日管協短観』(2019年4月〜2019年9月)によると、調査した不動産管理会社の約50%が1〜2人目を入れ替わった以降、告知義務期間を終了すると考えています。
ただし、事件・事故の内容や知名度によって、事故対象物の告知義務期間が半永久的または一定年数であると考える管理会社もいます。ご心配な場合は、大島てるさんのおっしゃる通り、部屋を見るときに仲介に確認したり、近所の人に聞いたりすることをお勧めします。
3. マンション屋上からの飛び降りや一室の中で自殺があった場合、該当マンションに入居する全ての入居者に告知する必要はあるのでしょうか?また、告知期間はどれくらいでしょうか?
「一室の中」の場合は、その部屋に関してのみ、告知義務があります。
それに対して、「屋上」などの共用部分の場合は、全ての部屋の購入・賃借希望者に対して告知する義務があります。
(ただし、現在の入居者に対してではありません。あくまでも、これから契約する際にです。)
告知すべき期間はケースバイケースですが、実務上はそもそもあまり隠蔽されていないように感じています。
なぜなら、例えば「屋上から飛び降り自殺がありました」と伝えても、屋上に住むわけではないので、買うのをやめる/借りるのをやめるお客さんはあまりいなそうだと思われているからです。
4. 事故物件を民泊かホテルかマンスリー賃貸として利用する際、お客様に告知必要はありますか?あるいは告知期間はどれくらいでしょうか?
私は法律家ではありませんが、民泊かホテルであればお客さんに告知する法的な義務は無いはずです。
いずれの場合でも、長期的なビジネス上の観点からは告知すべきと考えます。
5. 事故物件の売買・賃貸相場について、事故の内容によって、どれくらい資産価値が減額されますか?
- 殺人事件:-50%~-40%
- 自殺(飛び降り以外):-30%~-20%
- 孤独死:-10%前後
- 飛び降り自殺:-5%~0%
※ 火災の場合は、その後建替えられたりなどしますので除外しておきます。
※ リノベーションの結果、家賃が以前より高くなることさえあります。
ただし、当然のことながら、実際には需要と供給次第ではあります。
6.事故物件の賃貸または購入を検討する外国人に何か伝えたいことはありますか?
不動産屋さんに「事故物件を借りたい」と言っても、予算を伝えなければ、不動産屋さんは困ってしまいます。
例えば、
「通常は家賃100万円だが自殺の影響で家賃70万円に減額されている」という超高級マンションと、
「通常は家賃5万円だが自殺の影響で家賃4万円に減額されている」というアパートを同列には並べられないからです。
「事故物件を借りたい」と言うのではなく、
「家賃は月〇万円以内に抑えたい。安ければ事故物件でもOK」という言い方の方が良いと思います。
買いたい場合も同様です。
※上記内容は、2021年2月1日現在での内容となりますので、常に変化する可能性があります。ご了承ください。