新型コロナウイルス関連ニュース

コロナが東京のマンション市場に及ぼす影響とは?

新型コロナウイルスが、私たちの将来の生活や仕事に及ぼす長期的な影響はまだはっきりしていませんが、この世界的なパンデミックは、過去3か月の間に、既に私たちの生活の多くの側面に痕跡を残しています。この記事では、過去3か月間に、新型コロナウイルスが「東京のマンション事情」にどのような影響を与えたかについて説明します。

この3か月で起きた事

データを入手した最初の月である5月は、首都圏の中古マンションの平均価格は3674万円(343,000ドル)でした。東京カンテイの最近のレポートによると、これは首都圏の中古マンション市場で、3か月連続の下落でした。

2020年の第1四半期に至るまでの過去数年間、東京の中古マンション市場は活気に満ちており、新築マンションを買う余裕のない買い手が、中古マンションを購入しようとしていたためでした。首都圏の家族向け70平方メートルのマンションの平均価格が3824万円に達した今年2月が直近の最高値となっています。(東京カンテイ、2020年2月のレポート)。

3月は、新型コロナウイルスの状況が深刻になり始めたため下落しました。3月11日、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルス(COVID-19)をパンデミックと正式に宣言し、3月24日までに東京オリンピックは正式に延期が決定され、オリンピック開催の是非を問う数週間が終わりました。それからは急速に新型コロナウイルスに対する対策が施行され、日本政府は4月2日に外国人の入国を禁止し、4月13日に全国に緊急事態宣言を発令しました。

新築マンション

全国的な緊急事態宣言は5月25日に解除されましたが、社会的な経済的影響は明らかです。

例えば、住宅用不動産市場だけを見ても、新築マンションの供給への影響は計り知れません。これらの記事(関西エリアの新築マンションの供給は1991年以来最低レベルに東京の新築マンションの供給はコロナウイルスの影響で1973年以来最低レベルに落ちる)で詳述されているように、全国的に、不動産開発企業と買い手はこの環境に非常に慎重な姿勢を見せています。実際に多くの不動産開発企業は、社会的な距離を維持するために、4月と5月を通じてモデルのショールームを閉鎖しました。

それでも、新築マンションの実際の販売価格は史上最高値のままです。この記事で詳しく説明されているように、東京オリンピック(現在は2021年7月に延期された)までの間に、都心はこれまでにない建設ブームを経験していました。これは一方で、建築材料と労働力の深刻な不足を引き起こし、高い建設費は販売提示価格と最終販売価格の両方を押し上げました。

4月の1戸あたり平均販売価格は、2ヶ月ぶりに2019年を上回り、6,216万円 5.4%増)となりました。これは、東京23区に売りに出されている物件の比率が高いため、首都圏全体の平均価格が高くなっています。

データが入手できる最初の月である5月に、東京に新しく建設されたマンションの供給数は史上最低に達し、前年比82.2%減の393戸でした。しかし、新築マンションの平均販売価格は、6485万円(605,500ドル)で、前年比6.4%の上昇となりました。平米あたりの平均価格は1,084万円に達し、前年同期比21.3%上昇しました。

買い手の心理

このような状況の中で、この価格で買う余裕のある購入者はまだ市場にいると予想されますが、販売される戸数は非常に少数です。同時に、近い将来、建設費は高いままであると予測されています。新築マンション市場での販売価格は、今年は下落する見込みはおそらくないでしょう。

契約率から見る住宅需要の高さ

5月の首都圏の契約率は72.3%であり、買い手が取引を熱望していることを示唆しています。

契約率は、  ある一定の期間に売り出されたマンションが、その期間に契約された比率の数です。70%の契約率は、売り手と買い手の市場の境界線です。

5月の数値は、70%以上であり、70%以上のの契約率の3か月連続を表しています。

結論として、新型コロナウイルスの影響により、東京の新築マンションの供給が大幅に抑制されています。ただし、需要は一見影響を受けておらず、平均販売価格は近い将来下落する可能性は低いと見込まれます。

中古マンション

平均価格は下落トレンド

上記のように、首都圏の中古マンションの平均価格は、首都圏で3か月連続で下落しています。

これは、より古い住宅が市場に出されていることによって、全体の平均を引き下げました。

月別の首都圏の中古マンションの平均価格:

  • 3月:37,480,000円、前月比-2.0%
  • 4月:37,010,000円、前月比-1.3%
  • 5月:36,740,000円、前月比-0.7%

5月の価格も前年比で1.8%の下落を表しています。

依然高い買い手の需要

需要面では、新築マンション市場での記録的な価格が原因で、買い手(日本人と外国人の両方)が中古マンションに集まっているという証拠があります。しかし、潜在的な買い手が新築マンション市場から流れてくるという傾向は、上で指摘されたように、新型コロナウイルスに特有のものではありません。

リアルエステートジャパンでは、ここ数か月の間に、首都圏を含む全国の中古マンションの問い合わせ数が、前年比で大幅に増加しました。また、無料の住宅購入セミナーへの参加者も急増しています。

今後の状況に期待

ただし、一部の住宅販売業者が社会的距離の懸念のために、販売が冷え込んでいるという事例もあります。東京の不動産会社のリアルエステートジャパンによると、販売中の不動産の視察を行うことを拒否している業者もあるようです。この意味で、住宅用不動産市場に対するコロナウイルスの影響は否定できません。

また、ほとんどの外国人が日本に入国することを禁止され、4月2日の国際旅行禁止条例について言及することも重要でしょう。外国人は住宅マンション市場での取引量のほんの一部しか占めていませんが、過去数年間、日本政府は情報を英語で利用できるようにするために努力してきました。政府は、外国人が市場でより積極的になることを望んでいます。それにもかかわらず、旅行禁止条例によって、外国人の買い手市場に対して、実質的に取引を閉鎖せざるを得ませんでした。

しかし、これまでのところ、中古マンション市場が、コロナウイルスの影響によって、適切な取引ができなくなるという結論を出す十分な証拠はありません。


出典:不動産経済研究所、東京新築マンション市場に関する2020年6月のレポート(日本語)、東京カンテイ:3つの主要なメトロ地域の中古マンション市場に関するレポート2020年6月のレポート(日本語)

リード画像: Tokyo Tower via iStock